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手を差し伸べて…… ニュース記事に関連したブログ

2008/05/29 14:56

 

先日、川田亜子アナウンサーのブログについてのエントリで「 何か釈然としない、もやもやとした感情が記憶に残る」と書いたが、続報記事を読んでいて、ひとつの疑問が心に浮かんできた。それは「人と人の繋がり」というのは、いったいナンなんだろうか? ということだ。

記事の中で、川田アナが「鬱病」であった可能性が言われているが、本人が亡くなった今、それが事実であったかどうか、検証する術は失われた。様々な「状況証拠」から推測することは可能なんだろうし、専門家などからすれば「典型的で、よくあるケースのひとつ」なのかもしれないが、そのこと自体は、この際、どうでもいい。

記事によれば、所属事務所のスタッフや出演番組の関係者など、彼女の周りにいた人たちは、川田アナの「心の変調」について少なからず心配していたようだし、本人自身も、ブログエントリに「SOS」と受け取れるようなメッセージを残していた。であるにも関わらず、彼女が自らの命を絶つことを止めることが出来なかったことが、ただただ「遣り切れない」のだ。彼女の周りの人たちを責めたいわけではない。「自殺は絶対悪」だとして彼女の行為を詰るつもりもない。しかし、どうしても「遣り切れない気持ち」が心の底から湧いてくるのを押し止められないのである。

「我が身」を振り返って考えてみた。

現在は、仕事や同僚たちに恵まれ、それなりに安定・充実した日々を送っているオレなのだが、何年か前にいた職場では、仕事や同僚との関係が上手く行かず、精神的にかなり「追い詰められた」状態にあったことがある。そのままでは「自分が壊れてしまう」という危機感から職場を辞めた。心のダメージはかなりのものだったので心療内科などで治療を受けることも考えたが、辞職を境にして徐々に快方へ向かったこともあり、それには及ばなかった。物理的に、その場を離れることで、辛うじて「自分」を取り戻すことができたのだろうと思う。

こうしたことは「よくある話」で、誰にでも起こり得る出来事なのだろうとは思う。しかし、その当時のことを細かく思い返してみると、オレがそういう精神状態にあって心に変調を来していたことは、当時オレの周りにいた同僚はもちろん、一緒に暮らしていた家族にすら知られていないことに気がついて背筋が寒くなった。

何故、知られていないかといえば、オレの口からは「精神的に酷く辛い」とか「自分が壊れてしまいそうだ」なんて、ひと言も言わなかったからだ。と言うか、どうしても「言えなかった」のである。それを少しでも口に出すことができていれば、職場を離れなくて済んだのかもしれない。しかし結果的には「言えなかった」。オレの心に残っていた「理性の欠片」とでも呼ぶべき何ものかが、最後(一歩手前?)の自衛手段として「辞職という道」を選ばせたのだろう、と今では思っている。

何年か経った現在、以前の自分を客観的に見てみれば、自分で自分を追い詰めているだけで「そんなのは自業自得なんじゃないの?」などと思ったりもするが、その当時は、ただただ、精神的苦痛と拭い去れない不安が頭の中を占領していて、答えの出ない堂々巡りを延々と続けている状態だった。自分自身と周りの人々との関係を冷静に認識・判断して行動するなんていう「当たり前」のことが、全くできなかったのである。

そうした「我が身」なので、川田アナの置かれていた状況を思うと、とても人ごとには感じられないのである。言わば「自業自得」である「身軽な」オレの場合は、運よく「こちらの世界」に「戻ってくる」ことができたのだが、彼女の場合は、オレの場合とは比較にならない程、物理的にも精神的にも厳しい状態に置かれていたように思える。自分の命を絶ってしまわなければならないほどに。

◇ ◇ ◇

所詮、彼女はオレにとって「『画面』の中にしかいない人」であったに過ぎない。しかし……。

もしも、オレが彼女の身近にいる人間だったならば、果たして「手を差し伸べて」あげられたかどうか? また、再びオレが精神的に追い詰められたとき、周りの人は「手を差し伸べて」くれるだろうか? そして、周りに「SOS」を発している誰かを見つけたとき、オレはその人に対して、具体的に何をしてあげられるのだろうか?

自分が誰かに「何かをしてあげられる」なんていうのは「傲慢」で「自己満足」な考え方なのかもしれない。しかし、誰かが自ら命を絶つことへの「遣り切れなさ」を感じ、「人と人との繋がり」を狂おしいほどに乞い求めている自分がいることも、また「事実」である。いくら考えても考え尽くすことはできそうにないが、少なくとも「問い掛け」を止めることだけはしないでおこうと思った。

再度、川田アナの冥福を祈る。。。

カテゴリ: その他  > メモ    フォルダ: 文化部

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